前回(電源編)では、旅先で充電切れを起こさないための「電源セット」をご紹介しました。 これで、スマホで映画を見ても、音楽を聴いても、バッテリーの心配はありません。
しかし、長距離移動にはもう一つ、大きなストレスがあります。それは「音」です。 新幹線や飛行機の中では、「ゴーッ」という大きな騒音が常に鳴り響いています。無意識のうちに脳がその音に反応してしまうため、ただ座っているだけでも体力を消耗してしまうのです。
今回は、そんな騒音をテクノロジーで消し去り、座席を「静かな映画館」に変えるためのアイテムをご紹介します。

1. 「静寂」を持ち歩く技術(イヤホン・ヘッドホン)
まずは、疲れの原因である「騒音」を物理的に減らすアイテムです。 「ノイズキャンセリング」とは、周囲の騒音に対して「逆の波形の音」をぶつけることで、音を打ち消す技術のことです。予算や好みに合わせて選んでみてください。
① 性能で選ぶなら:Bose QuietComfort Ultra Earbuds
オーディオメーカー、Bose(ボーズ)の最高級イヤホンです。
- ここがすごい: 飛行機や電車特有の「ゴーッ」という低い音を消す性能が圧倒的です。装着した瞬間にスッと周りの音が消え、映画のセリフがはっきり聞こえるようになります。
- 映画館のような音: 「イマーシブオーディオ」という機能があり、イヤホンをしているのに「目の前のスピーカーから音が聞こえてくる」ような感覚になります。
② コスパで選ぶなら:Anker Soundcore Liberty 4 NC
「イヤホンに3万円も4万円も出せない…」という方に最適な、コスパ最強モデルです。
- ここがすごい: 1万円台前半という価格ながら、高級機に迫る強力なノイズキャンセリング性能を持っています。
- スタミナ: イヤホン単体で10時間、ケース込みで50時間再生できます。長時間のフライトでも充電切れの心配がほぼありません。
③ ヘッドホン派なら:Sony WH-1000XM5
「イヤホンを長時間耳に入れると痛くなる」という方には、耳全体を覆うヘッドホンタイプがおすすめです。
- ここがすごい: イヤーパッドが耳をふんわり包み込むため、物理的に音を遮断する効果が高いです。音質も非常に良く、クラシックやジャズなどを静かに楽しみたい大人の方に人気です。
2. 機内の「モニター」を無線化する
国際線や長距離の飛行機には、座席に映画が見られるモニターが付いていることがあります。 しかし、そこにあるのは有線用の「イヤホンジャック(穴)」だけで、自分のワイヤレスイヤホンはそのままでは使えません。
④ 有線を無線に変換:Twelve South AirFly Pro
この機器を座席のイヤホンジャックに差し込むと、音声をBluetooth(無線)で飛ばせるようになります。
- どう使うの?:
- この機器を座席の穴に挿します。
- 自分のワイヤレスイヤホンとボタン一つで接続します。
- 機内の映画を、使い慣れた自分の高音質イヤホンで聴けるようになります。
- ここが便利: 2台のイヤホンを同時に接続できます。隣に座っているパートナーや友人と、同じ映画を一緒に楽しむことができます。
3. 手ぶらで楽しむ「固定ツール」
スマホやタブレットを手で持ち続けるのは、肩こりや首の疲れの原因になります。 画面を適切な位置に固定することで、楽な姿勢で過ごせます。
⑤ スマホ用:Lamicall 飛行機用スマホスタンド
新幹線のテーブルや、飛行機の前座席のロック部分に挟んで使うホルダーです。 スマホスタンドで定評のあるLamicall製だけあって、作りが非常に堅牢。100均や安価なプラスチック製品とは一線を画す安定感があります。
- ここが便利:
- 「首」がなくなる: 360度自在に動くヒンジにより、自分の目線の高さにスマホを固定できます。長時間動画を見ても、下を向く必要がないので首や肩が圧倒的に楽になります。
- 2wayの変形機構: 座席に「挟む」だけでなく、カフェやホテルでは卓上の「スタンド」としても使えます。これ一つあれば、旅先のあらゆる場所が快適な視聴環境に変わります。
- 極薄に折りたたみ: 使わない時はポケットに入るサイズまで小さく折りたためます。ヒンジの固さを六角レンチで調整できるのも、道具好きにはたまらないポイントです。
⑥ タブレット用:Lomicall 折り畳み式 スタンド
「映画はiPadの大画面で見たい」という方のためのスタンドです。
- ここが便利: アルミ製でしっかりしており、揺れる車内でもタブレットが倒れません。角度を自由に調整できるので、新幹線のテーブルに置いても照明が反射しない位置で見ることができます。折りたたむと板状になり、ポーチのポケットに収まります。
4. 【準備編】出発前にやるべき「ダウンロード」
道具が揃っても、電波がなければ動画は見られません。 新幹線のWi-Fiは接続が不安定なことが多く、トンネル内では切れることもあります。飛行機の上空では、基本的に通信はできません。
鉄則:動画アプリの「オフライン再生」を活用する
Amazonプライム・ビデオやNetflix、YouTube Premiumなどのアプリには、端末に動画を一時保存する機能があります。
- ポイント: 出発前日、自宅のWi-Fi環境で見たい映画やドラマを2〜3本ダウンロードしておきましょう。
- メリット: 移動中にデータ通信量(ギガ)を消費せず、電波のない機内でも高画質で再生できます。動画が途中で止まるストレスもありません。
まとめ:環境を整えれば、移動時間は疲れなくなる
騒音を低減し、楽な姿勢で、好きなコンテンツを楽しむ。 これらの環境を整えるだけで、ただの「我慢する時間」だった移動時間が、リラックスできる「エンタメ時間」に変わります。
これで、収納・電源・エンタメの準備は完璧です! 最後は、旅先で起こりうる「もしも」のトラブルへの備えです。
次回のシリーズ最終回では、荷物の紛失やスマホの容量不足を防ぐ「デジタル防犯・データ保存術」について解説します。







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