【固定ケーブルの整理】デスク裏の配線は「浮かせて隠す」。床に何も置かないエンジニアの整理術

デスク環境

前回の記事(基本編)では、ケーブルを3つの種類に分類しました。 今回は、その中で最も厄介なボスキャラ、「① 固定ケーブル」の攻略法です。

  • モニターの電源
  • PC本体の電源
  • Wi-Fiルーターの配線

これらは一度つないだら、滅多に動かしません。 だからといって、「見えないからいいや」とデスクの裏でダラダラと垂れ流すのは絶対にNGです。

床にケーブルが散乱していると、ホコリが絡まって掃除機がかけられず、最悪の場合はコンセントにホコリが溜まって発火する「トラッキング火災」の原因になります。

エンジニアの鉄則は「床に置かない」こと。 今回は、デスク裏の配線をすべて空中に持ち上げ、「ルンバがスイスイ通れる環境」を作る具体的な手順を解説します。


1. 目指すゴールは「空中配線」

「固定ケーブル」の整理でやるべきことは、たった一つです。 すべてのケーブルと電源タップを、床から離すことです。

これを私は「空中配線」と呼んでいます。 メリットは3つあります。

  • メリット1:掃除が劇的に楽になる 床にモノがないので、クイックルワイパーやロボット掃除機が奥まで届きます。ホコリとの戦いが終わります。
  • メリット2:足元が広くなる 足を伸ばした時にケーブルに引っかかるストレスがなくなります。
  • メリット3:見た目が美しい 部屋の入り口からデスクを見た時、黒い線が一本も見えない状態は、それだけで「プロっぽい」雰囲気を作ります。

では、どうやって浮かせるのか? 以下の3ステップで進めてください。


2. ステップ1:電源タップを「基地」にする

配線整理の要(かなめ)となるのが、コンセントの差込口が増やせる「電源タップ」です。 これを床に置いているのが、部屋が汚れる最大の原因です。まずはこれをデスクに固定し、「空中基地」を作ります。

おすすめの方法は2つありますが、初心者は「方法A」を選んでください。

方法A:ケーブルトレーを使う(★おすすめ)

デスクの天板にクランプ(万力)で挟んで取り付ける「金網のバスケット」です。

  • なぜ良いのか: 電源タップをポンと置くだけで済みます。後述する「余ったケーブル」もここに放り込めるので、一番カンタンです。
  • これを選ぼう: サンワサプライやGarageのメッシュトレーが定番です。

方法B:マグネットで貼る

スチール製のデスクなら、強力マグネット付きの電源タップを脚や裏面に貼り付けます。

  • なぜ良いのか: 場所を取らず、最もスッキリします。
  • 注意点: 磁力が弱いと重みで落ちてきます。タップ自体を買い替える必要があります。

3. ステップ2:余った長さは「円」にする

基地(電源タップ)ができたら、各機器のプラグを差し込んでいきます。 ここで必ず問題になるのが、「長すぎるケーブル」です。

「モニターの裏から電源タップまで30cmでいいのに、ケーブルが1.5mもある…」 この余った1.2mをどうするか?

正解:「ゆるく巻いて、トレーに乗せる」

余った部分は、直径10〜15cmくらいの円を描くようにくるくると巻き、マジックテープ(面ファスナー)で軽く留めます。 そして、そのままケーブルトレーの中に隠してしまいます。

以下の3つは絶対にやめてください

  • × きつく折り曲げる: 中の銅線が切れてしまいます。
  • × 結束バンドでガチガチに縛る: 熱を持って危険ですし、後でほどくのが大変です。
  • × 束ねて床に置く: 結局ホコリの温床になります。

4. ステップ3:脚に沿わせて「透明化」する

最後に、壁のコンセントからデスクの電源タップへと伸びる「大元の電源コード」の処理です。 これがブラブラしていると、せっかくの空中配線が台無しです。

技:「脚の裏」を通す

デスクの脚の裏側(壁側)に沿わせて、ケーブルを固定します。 こうすると、部屋からは「脚の影」に隠れて、ケーブルが完全に消えたように見えます。

  • 使う道具: 100均でも売っている「配線止めテープ(黒)」や「ケーブルクリップ」。
  • コツ: パツパツに張ると抜けてしまうので、少しゆとりを持たせて留めてください。

まとめ:裏側は見えなくていい

「固定ケーブル」の整理に、美しさは必要ありません。 必要なのは、「床にないこと」「安全であること」だけです。

  1. ケーブルトレーを取り付ける。
  2. 電源タップと余ったケーブルをそこに全部入れる。
  3. 大元の線は脚に沿わせる。

これだけで、あなたのデスクの下は「掃除機がかけ放題」の快適空間になります。 一度セットしてしまえば、引っ越しまで触る必要はありません。

さて、土台となる裏側が片付きました。 次はいよいよ、毎日手に触れる「デスクの上(着脱・操作ケーブル)」の整理です。 ここを整えると、作業効率が劇的に上がります。

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